第23話【医療用ウィッグ2~アフター・ケア】

医療用ウィッグを着用して3週間近く経った。
当初は毎日つける予定だったのだが、
感染症対策としてつけているマスクと
ウィッグの中の頭の暑さと蒸れ具合が、
湿気の多い梅雨時期には思いのほかきつく、
週に1日~3日程度のダブルワークの接客業が入っている日以外は
毛糸のキャップで昼間の事務の仕事に通っていた。

帰宅後には専用の消臭スプレーをかけるのだが、
そろそろ汚れも気になるので初回のウィッグシャンプーの予約をした。
私が購入したお店では、自分でウィッグを洗う前に
担当者が洗い方を無料でレッスンをしてくれるのだ。
髪の量もだいぶ減ってきたので、少し緩くなってきていた
ウィッグの調整もお願いした。

この日も暑かった。
個室に案内してくれた係りの方が、リフレッシュシートを出してくれた。
ウィッグと下に被っているネットを取って、頭の汗を拭く。
これがツルツルなら、思いっきり拭けるのだが
まだ残っている毛があるので抜けないように
軽く押さえるように拭く。

購入時に担当してくれたFさんの入室ノックで慌ててネットを被る。
自分は剥げてきた頭に慣れて来たけれど、久しぶりに見る人には
衝撃が強いかしら?なんて一瞬思ってしまったのだ。
でもよく考えたら相手はプロなんだし、見慣れてるかな?

「あれ?O野さん。この時期ならもうウィッグの下に被るものは
ネットではなくて綿キャップですよ」

案の定、ネットからうっすら見える頭の状態よりも
被っている【もの】が違うことが、まず気になるらしい。

「はぁ。綿キャップ。なんでしたっけ?」

「あれ?この前、購入したの忘れちゃいました?」

ネット

髪がまだそれなりに残っている時は、
ネットでまとめた髪をピンで止めてウィッグを被る必要がある。

ただピークを過ぎると今度は汗がそれなりに出るので吸汗性の良い綿のキャップに変えるのだ。

そう教えられていたのだが、購入したこともスッカリ忘れて、今の私はピンで止める髪もほとんどないわ、汗はダラダラ流れてくるわで、
どうしたもんか、と悩んでいたのだ。

購入に来た日は投薬してまだ間がなくて頭は完全にボーっとしていた。なんとなく「はい、

綿キャップ

はい。」言っていた。

 

「すみません・・・」

「いえいえ。今日、分かって良かったですね」

(ああっ!ピンで止めたいところに髪がなくて
頭を抱えてた私はただの間抜けではないか!)

その後、ウィッグの調整をし、シャンプー、トリートメントと
セットのやり方のレクチャーを受けた。
とにかく優しくなのだそうだ。
う~ん。できるだろうか・・・。

「O野さん。もし忘れてしまっても最初にお渡ししたガイドブックに
この手順は書いてありますからね」と気遣って頂き、最後に
毛の量や前髪の長さでカット希望はあるかを確認された。

本当を言うと、毛量も多く、前髪が少し長いかな、と思っていた。
購入当初は眉毛も全部抜けてしまったら、不器用な私には
うまく眉メイクができるか不安で、眉が隠れる長さにしてもらっていた。
でも普段はもっと短いので、いささか自分らしくないかなぁ、
いや、今はまだ眉は残っているけど、もう少し様子を見たほうが良いのでは?
などとだいぶ悩んでいた。

「う~ん」
だめだ。今日はそこまで調子悪くないのだが
どうも最近、頭が回らない。決断ができない。
確かにもともと頭の回転は早くはないのだが・・・

「とりあえずまだこのままで良いです」

それなら、とFさんが丁寧にカールを巻いてくれて上機嫌で会計へ。

「今日はチケット持っていらっしゃいましたか?」

「あ。」

このお店では最初のシャンプーレッスンとセットは
無料で行ってくれるのだが、そのチケットを忘れて来てしまったのだ。

「忘れちゃいました。すみません・・・」

「大丈夫ですよ。今日は持参したことにしておきますから
次回お持ちくださいね」

いろいろありがとうございます。
これからもお世話になります!

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